わたしと岡村ちゃん 第1話
“たぶん23歳”な私と、“だいすき”な岡村ちゃんの話をします。
(あまりにも長いので、今回は私が中学生になるくらいまで。)
「どぉーなっちゃってんだよー♪」
父と母が時折口ずさむ、ひどく不思議な日本語とメロディー。
「どういうこと」でも「どうなってるの」でもなく、「どぉなっちゃってんだよ」。
当時幼稚園児か、もうちょっと幼いぐらいの私は、その言葉を聞くたび律儀に「なにそれ?」と尋ねていました。
父母「ん?これはね、岡村ちゃんの歌だよ」
わたし「……ふーん?(理解も納得もしていない)」
何度訊いても答えは同じ。それ以上でも、以下でもなく。
これが岡村ちゃんにまつわる、もっとも古い記憶。
時が少し経って、私は小学生になりました。
この頃の私は、両親の影響もあり<マイケル・ジャクソン>にくびったけ。
お風呂場にシャンプーをまき散らしてムーンウォークの練習をしたり、
仲良くなった友達を次々と家に招いては、スリラーのビデオ鑑賞会を開くぐらい*1!
父の仕事の関係で、我が家にはCDが山ほどありました。
暇さえあればマイケルのビデオを観て、マイケルのCDを聴く毎日。
ただ数年もすると、さすがの私もマイケルはお腹いっぱい状態に…。
そんな時、ラックの中でふと目に留まったのが【岡村靖幸】の文字。
「あ、この人が“岡村ちゃん”…?」
頭の片隅に残っていたかすかな記憶と、目の前のCDが繋がった瞬間でした。
まずわかったことは、岡村ちゃんは男の人だったということ。笑
あと、CDを聴いてみて抱いた感想は「気持ち悪い、無理」…以上*2。苦笑
小学生の私には、岡村ちゃんは早すぎたようでした。
これが私が岡村ちゃんに抱いた、勝手な第一印象の話。ほんとすみませんw
中学生に上がると、電車通学が始まりました。
ポータブルMDプレイヤーという魔法のような道具を手に入れた私は、
お気に入りの音楽だけを詰め込んだマイMDの制作に没頭。
何を思ったのか、あれだけ拒否反応を示した岡村ちゃんのCDを再聴してみることに…
「うん……無理!!!」
※以下、男女交際などしたことがない垢抜けない女子中学生が、アルバム『DATE』および『家庭教師』を聴いて率直に抱いた感想です。悪気は全くないのですが、先に謝っておきます。本当にすみません…。
「DATE」冒頭のくさいセリフやねちっこい歌い方、時折出てくるKissだのSexだのといういかがわしい歌詞*3、「家庭教師」に溢れる喘ぎ声と妖しすぎる空気感…。
今の私にとって「だが、それがいい」的要素であるすべてに対しての超絶なる拒否反応。
やっぱり私、岡村ちゃん無理だわ…と投げやり気味に聴いた『禁じられた生きがい』。
「あばれ太鼓」を聴きながら、マイケルの「Black or White」に似すぎだろ…などと毒づいているうちに事件は起こったのです。
ホイッスルのピッピー!という音でハッとした私の耳に、今まで聴いたことのない類のメロディーが流れ星のように滑り込んで来たのです。
あれだけ気持ち悪がっていた岡村ちゃんの声もシャウトもすべてがかっこよく聞こえる。
……っていうか何この曲めちゃくちゃ格好いいんですけど!!!!!
私ってばおかしくなっちゃったのか!?と動揺している間に曲が終わりかけ、反射的にすぐまた同じ曲を掛け直して…の繰り返し。
その日のうちに、マイケルやアイドルの曲に紛れて、その1曲だけを一番お気に入りのMDに入れました。
通学時、あの曲が流れる度に勝手にドキドキしていたものです。
自分だけ、誰も知らない(そんな訳ないんですが、まぁ当時の気分的にw)すごい曲をこっそり聴いているような気がして。
あの日あの時、幸か不幸か「青年14歳」を聴いてしまった、少女14歳。
これが、初めて岡村ちゃんの音楽を好きになった、思い出の瞬間。
(つづく)
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